oViceは、コクヨの東京品川オフィス(THE CAMPUS)の一部をお借りし、ハイブリッドオフィス「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」をオープンしました。
このオフィスは、2023年3月23日(木)までの期間限定で公開をしています。コクヨと研究を行っている技術や、今後本格的に展開予定のサービスを皆さまにご体験いただくことができます。 ※本展示は終了しています
本稿では、同リアルオフィスの様子をご紹介します。
「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」は、JR線品川駅港南口に位置する、コクヨ株式会社 東京品川オフィス(THE CAMPUS)に入居しています。建物の南館に入り、2階にあるのが開かれた実験空間「KOKUYO OPEN LAB.(コクヨオープンラボ)」です。ここでは、様々な企業と、それぞれの想いや知見、技術を持ち寄り、少し先の働き方や暮らし方を考える「実験」が行われています。
(参照:KOKUYO OPEN LAB.)
施設内の通路は広く、ところどころに植物が配置されています。クラシックな装いの建物のためか、不思議と落ち着いた気分になれる環境です。
オープンスペースには、様々な企業と実験中のプロジェクトやデモ機が展示されています。今回訪れた際には、メンタル不調の予防・改善策や成長支援としてのリフレクション効果を検証するため、擬似的な焚火環境が構築されたワークブースなどがありました。
(参照:KOKUYO OPEN LAB.)
このオープンラボ内にある一室に、「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」が期間限定でオープンしています。
「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」には、oViceの一部メンバーが毎日出勤していますので、バーチャルオフィスで働くメンバーとともにハイブリッドな環境で働くさまをご覧いただけます。
リアルとオンライン、それぞれの空間にいる人同士がコミュニケーションする機会が増えていますが、全員が同じ空間にいるような感覚はなかなか得難いものです。コミュニケーションに参加するすべてのメンバー、そして、そのコミュニケーションには参加していないメンバー、オンラインオフラインを問わず、すべてのメンバーがお互いの存在を感じられる環境は、もしかするとこれまで存在しなかったかもしれません。
「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」には、リアルとオンライン双方向から書き込めるデジタルの「ホワイトボード」と、バーチャルスペースと繋がる「窓」となっているモニターが設置されています。これにより、テキストや音声以上の表現が共有できるコミュニケーション環境を実現しています。こうした環境は、オンラインとオフラインのメンバーの心理的な距離を、限りなくゼロに近づけます。
いつも通りビジネスメタバースのオフィスに出勤しているoviceメンバーですが、都内初開設となった今回のリアルオフィスの様子をチェックするため、また「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」に出勤しているメンバーの顔を見て話すため、「窓」に集まってきます。
リアルオフィスの「窓」は、オンライン上のバーチャルオフィス上に設置された「窓」と双方向につながっているため、リアルオフィスの映像がovice内に設置された「窓」オブジェクトに投影されます。バーチャルオフィスから「窓」を覗くメンバーは、カメラのON・OFFを選択して会話することができます。
オフライン空間では、窓からの視線を強く感じることはありません。誰かが近づいてきたことには気づくことも気づかないこともありますが、呼びかけの声には大抵すぐ気づくことができます。
オンライン空間では、窓の大きさは自由に調整でき、どの程度離れた場所に座るかも自分で調整できます。
オンラインもオフラインも、「〇〇さんと会話をしよう」と考えてそれを実現するために必要な行動は、近づいて声をかけるだけ。テキストで声をかけたりといった特別な手続きなく同僚とコミュニケーションができます。こうしたやり取りに、みんなが同じ空間にいて少し離れたところで仕事をしていた、ビフォアコロナの働き方を思い出しました。
「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」では、バーチャルスペースに出社しているメンバーのアバターからランダムに話しかけられたり、会話に参加するメンバーのリアクションを確認したりといったやり取りが見られました。
「窓」は、リアルとオンラインの双方において、その境目を感じさせずにコミュニケーションをとるために有用ですが、リアルオフィスのメンバーが常に「窓」の側にいるとは限りません。また、モニターに表示させたバーチャルオフィスを常に注視しているわけではないと思います。こうした場合、オンラインで勤務しているメンバーは、リアルオフィスに出勤しているメンバーの存在を感じられないため、完全に切り離された世界で勤務している感覚になることがあります。
こうした一体感の欠如を解決するのが、「ビーコン」とモバイルアプリ「ovice Go」です。両者を連動させると、「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」にいるメンバーの位置情報を取得し、オンライン上のバーチャルオフィス「ovice」内にアバターとして表示します。これにより、リアルオフィスの人の動きが可視化され、どこにいても一緒に勤務しているような体験が実現します。
コクヨ株式会社でも、ビーコンで取得した位置情報をバーチャルオフィス内に反映しています。また社員の皆さんは、モバイルアプリ「ovice Go」を活用して、バーチャルオフィスからの通知を受け取っています。
THE CAMPUSのオープンラボでは、実際にコクヨ株式会社の社員の方々がログインしているバーチャルオフィスをリアルタイムで表示しています。
同社オフィスにはあらゆるところにビーコンが設置されているため、リアルオフィスに勤務中のメンバーの動きと連動して、アバターがバーチャルオフィス上でリアルタイムに移動する様子を確認できます。こちらのモニターはオープンスペースに展示されているため、「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」をご訪問の際にはぜひご覧ください。
(2023年6月16日追記)
2023年4月12日より「窓ソケット(β版)」を無償でご提供して参りましたが、正式版へのアップデートに伴い「追加有償オプション」としてご提供しております。料金はこちらの料金プランをご確認ください。
oVice社においてオンラインとオフラインのメンバーがシームレスにつながる様子は、「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」ができたことで日常の光景となりました。バーチャルオフィスを活用したハイブリッドワークは、メンバーの勤務に柔軟さを保ちつつ、より強いチームワークや一体感を発揮します。ぜひその光景を、ご自身の目で確かめてみてください。
この日の「oVice Hybrid Office _ Shinagawa」には筆者と同じチームの同僚も出勤。毎日言葉を交わしている間柄なので会話自体には正直そこまでの新鮮味はありませんでしたが、アバターにはない彼女の背丈や歩き方といった情報を知ることができるのが不思議な感覚です。
帰り支度の様子に「じゃあ一緒に出ますね」というやり取りが起こったり、駅まで歩きながら新しい路地を見つけたりできることに、心があたたまったり元気をもらえたりします。この日は、なんとか席を確保できた飲食店で、食事を共にしながら時間を気にせず考えを述べ合う時間の充実感も楽しみました。
出勤のだいご味も手に入れながら、世界各地のメンバーと知見・技術・経験を共有して1つのプロジェクトを進めていくーーそんなoVice社の働き方に、改めて世界が変わる可能性を感じた1日の終わりとなりました。