イベントレポート

教育でのバーチャル空間の活用について語る「オンライン教育最前線!教育フロントランナーの現状と今後」イベントレポート(前編)

2025-04-17

2025年2月27日(火)に、「オンライン教育最前線!教育フロントランナーの現状と今後」というテーマでイベントを開催しました。

oviceはリモートワークのためのバーチャルオフィスとして開発されましたが、最近は学校や塾など、教育分野での活用も増えています。これを受け、教育向けサービス「ovice campus」を2025年3月1日から提供開始。その発表を兼ねたイベントで、ベネッセ、英進館、NIJINといった教育の最前線で活躍する企業の方々をお招きし、各社の最新の取り組みをご紹介いただきました。

このブログでは、イベント内で紹介された各社の取り組みの状況やoviceの活用方法などを紹介します。

【イベント登壇者】

株式会社ベネッセコーポレーション ベネッセ高等学院 学院長 上木原孝伸さま

英進館ホールディングス株式会社 バーチャルキャンパス校舎長 太郎浦智晶さま

株式会社NIJIN 代表取締役 CEO 星野達郎さま

oVice株式会社 代表取締役CEO ジョン・セーヒョン、教育分野担当 市川賢典

教育の選択肢の提供で、自分の未来は自分で決められる社会の実現を目指す:ベネッセ・上木原さま

ベネッセの上木原さまからは、同社の通信制サポート校における新たな教育の取り組みについて発表していただきました。

現在、日本で不登校となっている子どもは30万人以上。2016年に文部科学省が発表した不登校児童生徒への支援に関する通知では、“不登校の要因”に向き合い、一人ひとりに合った教育の選択肢を提供することが求められています。

そこでベネッセが2025年4月に開校するのが、不登校の生徒たちが通う通信制サポート校「ベネッセ高等学院」。「教育の選択肢を増やし、不登校という選択に対する偏見をなくすこと」をミッションとして掲げ、自分に合った教育を選べることを当たり前の選択肢として定着させることを目指しています。

上木原さまによると、不登校における課題は上図の通り大きく4つ。ベネッセ高等学院のoviceを活用したバーチャルキャンパスは、「人との交流の減少」という課題解消のために導入されました。

不登校の子どもたちは、同世代の仲間と過ごす環境を失いがち。ベネッセは自宅にいながらも“学校に行き、仲間と一緒に学べる環境”を提供することを目的に、oviceを活用したバーチャルキャンパスを構築しました。リアルキャンパスに通学する子どもたちにも、バーチャルキャンパスにアクセスしてもらうことで、オンラインの子どもたちと一緒に学ぶ環境を整えています。

このほかにも、学習を支える仕組みとして「赤ペンメンター」制度を採用。子どもたちが本音を話しやすい大人とアバターで交流をしながら、子どもたちの思いを引き出し、将来の道筋を共に考えていく仕組みを整えています。

こうした取り組みを通じて、ベネッセが掲げるのは、子どもたちが「自分の未来は自分で決める」と実感できる社会の実現。oviceのバーチャルキャンパスを活用しながら、それぞれの子どもたちが持つかけがえのない「個性」と「未来」をつなぐことを目指しています。

世界から生徒が通う学習塾で「オンラインだからこそ良い」学びを実現:英進館・太郎浦さま

続いて、英進館の太郎浦さまより、同社が目指すオンライン学習の取り組みについて発表していただきました。

英進館は、福岡を拠点に九州を中心にグループ全体で185の校舎を展開し、約5万2000人の生徒が通う総合学習塾。しかし、近隣に校舎がない地域や、不登校の生徒が増えている現状を踏まえ、より気軽に、前向きに学べる環境を提供するため、2024年4月にoviceを活用した「英進館バーチャルキャンパス」を設立しました。英進館でも不登校の生徒はもちろん、不登校の予備軍を含めるとその数は1000人以上にのぼります。そうした子どもたちは“学習環境の選択肢”を必要としており、こうしたニーズに応えることも、バーチャルキャンパス設立の目的の一つでした。

英進館のバーチャルキャンパスは8階建て。そこでは、教師がポイントを解説しながら生徒を指名してやり取りを行う集団授業と、生徒一人ひとりにマンツーマンで徹底伴走する個別指導の2つを実施しています。

オンラインの活用により、開校当初77人だった生徒数は、約半年後には155人にまで増加しました。英進館の本拠地である福岡はもちろん、北海道や沖縄などの離れた地域や、中国やマレーシアといった海外に居住する生徒が学んでいます。

今後は九州を中心にサービスを拡大させながら、全国での認知度を高め、オンライン教育の質を向上させていくことで、さらに幅広い地域からの生徒が通える塾を目指しています。

学校が合わない子どもたちが、好きなことに没頭しながら学べる環境を作る:NIJIN・星野さま

不登校児童・生徒が通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営するNIJINの星野さまからは、これまでのoviceの活用状況やそれによって実現できたことを発表していただきました。

現在日本にいる30万人以上の不登校児童・生徒の約半数が、自己肯定感を大きく損ない、生きる希望を失っています。星野さまは、「これが教育における大きな課題であり、子どもたちが自分や社会に希望を持てなくなることは、日本の未来に大きな影を落としかねない」と指摘しました。

こうした状況を踏まえ、NIJINアカデミーでは、学校が合わない子どもたちに対し、自宅にいながら通うことができるoviceを活用した学びの場を構築。不登校の本質的な課題は“学校という仕組み”にあると考え、多様性や主体性、選択肢の多さを重視した学びを提供しています。

NIJINアカデミーには小学1年生から中学3年生までの子どもたちが在籍。oviceを活用したバーチャルキャンパスでは、顔出しで参加する生徒やコメントのみでやり取りする生徒など、それぞれのスタイルに合わせた学び方を実現しています。そうした、各生徒に合った学び方を実践したことにより、例えば1年半前までは引きこもりで人と目を合わせることすらできなかった生徒がユーモアを交えながら堂々と他の生徒の前でプレゼンできるまでになったそうです。

NIJINアカデミーが目指すのは、教育の多様性の拡大。その実現のために、企業や団体との共創を進めています。それと同時に、それぞれの子どもたちが興味のあることや好きなことに没頭しながら学べる環境を、oviceを活用しながら構築していきます。

ovice campusで、授業前から授業後までのすべての「学び」を支える場づくりを:oVice・市川

最後に、oViceの市川より、教育業界向けに新しく展開する「ovice campus」事業について発表しました。

もともとオフィス向けのバーチャル空間として開発されたoviceですが、最近では教育分野での活用が急速に進んでいます。実際、教育分野においては、2022年には約60人だった利用者数が、2024年には4300人規模へと大幅に増加しました。

この流れを受け、より多くの教育機関にoviceを活用してもらうことを目的として、ovice campus事業を立ち上げました。

ovice campusを活用することで、生徒は授業前にログインし、自由に他の生徒や先生と会話や交流することができます。

授業中は、ovice campus向けに新たに公開されたホワイトボード機能を活用することで、従来の画面共有では難しかった双方向の授業が可能に。これにより、先生が生徒一人ひとりの理解度をリアルタイムで把握しながら授業を進められるようになります。授業後もアバターで先生に近寄り気軽に質問できるため、学習内容の振り返りやフォローアップもスムーズです。

ほかにも、さまざまな新機能の開発も進めています。具体的には、出席ログの取得機能を導入して保護者へのメール通知を行う仕組みやスペースの開放時間制限、チャイムが設定できる機能を提供する予定です。

ovice campusを通じて、オンラインとリアルの垣根のない学習環境を提供するとともに、生徒一人ひとりの学びを支える環境作りをサポートしていきます。

【イベント後半ではパネルディスカッションを開催】

本イベントでは、各社の発表後、現在の教育の課題や未来に関するパネルディスカッションも行われました。パネルディスカッションの記事は以下のURLをご覧ください。

www.ovice.com/ja/blog-jp/campus-event-2

イベント当日のアーカイブ配信ご視聴希望の方は、以下よりお申込みください。

https://go.ovice.com/20250227-registration-archive

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