東京都に本社を置く、システム開発企業。 東京電力の電気供給にかかわる発電、送配電設備管理、電気料金計算などの大規模業務システムの設計、開発・保守を主に手掛ける。
リモートワークに移行して困ったのが、部下が今どんな仕事をしているのか、行き詰まっていないかなど、どういう状態にあるのか見えなくなった点です。このような状況を解消することを目的にビデオ会議ツールも導入したのですが、会議の時以外の通常業務については、引き続きあまり様子がわからない状態でした。
目的の打ち合わせが終わったらそのままコミュニケーションが終わってしまうことが常で、オフィスに出社時には気楽にできていた声かけや雑談などもできず、全体的にコミュニケーション不足に陥ってました。
また古参の社員同士であれば「ツーカーの仲」といいますか、少し話せれば多くがわかるので苦痛は大きくなかったように思います。しかし、新しく入社された方だとそうはいきません。話しかけるタイミングがつかめなかったり、チャットで細かなニュアンスを伝えるのに苦労されたりということが起こっていました。
以上のような状況を理解した総務や企画グループから、勤務環境の改善を求める声があがっていて、解決のための手段を模索するようになりました。ovice導入後は、アバターを見て話しかけられるのかどうか判断できるようになり、新たにジョインしたメンバーのコミュニケーションに伴う負担も格段に減ったようです。
コミュニケーション不足の課題をどう解決するか、というテーマで毎週ディスカッションを重ねていました。さまざまなツールをリサーチし検討した結果「仮想オフィス」が選択肢として残りました。
oviceが最終的に選ばれた理由は主に3つあります。
一つ目は無料トライアルです。どんなツールであっても、まず触ってみないと具体的な使用感や効果はわかりません。oviceは簡単に無料トライアルが申し込み・開始できたので、これらを確かめやすかったように思います。
二点目ですが、スペース単位での契約体系もありがたかったです。ユーザー課金だと、「まずどのくらいの規模で始めるべきか」という実験を行うことが難しく、管理も大変になります。もしこうしたサービスだったなら、ovice導入は難しかったように思います。
そして何よりセキュリティ面で評価できる仕様です。各種暗号化などの技術的な情報はoviceのウェブサイトで提供されていたので確認をしやすいと思いました。ファイルアップロードなどはできない仕様だったため、弊社で取り扱う情報の機密性が保たれると判断できました。もしもoviceにファイル送受信の機能があったなら、ここまでスムーズに導入できなかったと思います。
ovice活用のスタートにあたっては、トップダウンでの導入意思決定が起こりやすいように工夫しました。試験運用を一部部署から始め、そのスペースには社長や役員複数人にも入ってもらいました。oviceの体験に感動した役員の方が、自部署に戻って「こういうのあるみたいだけどやってみない?」と提案してくれて、「うちでもやってみたい」という部署があとから複数出てきました。
各部署に新しいもの好きな人がいて積極的に運用、展開してくれたのですが、こうした方たちをovice展開の過程に巻き込めたのも成功要因だと思っています。
弊社はパートナー企業とともに開発をすることが多く、相手側の希望ツールに応えられるようにするため、複数のツールを常に利用しています。oviceが各部署に広まると同時に「どのように使い分けたらいいかわからない」という声も出てきました。
オンラインツールやオンラインコミュニケーションへの知見がある人であれば「これはこう使えばいい」と判断し活用していってくれるのですが、そうでない方も使いやすく感じてもらえるようにしなければと考えました。
アンケートをとった結果「oviceはこういう時に使うといい」という事例を出してくれるとありがたいという声が多数ありましたので、使い分け表を作成し、事例をシェアしました。
そうですね。そういう方に対しては、「自分が話したいかどうかではなく、あなたに話をしたい人のために、ログインをしてください」とお伝えして、理解を得ていきました。
先に触れた新入社員や中途入社のメンバーの目線に立てば、今話しかけて大丈夫かどうかが見極められるバーチャルオフィスはコミュニケーション不足を解消するために欠かせません。なぜ使うのかという背景を知ってもらうことも、ツールの普及や定着には重要だと考えています。
試験期間中、月に1,2回役員クラスに効果やメリットを報告していました。導入前に解決したかった点が「コミュニケーションロス」でしたので、oviceを使ってこの点が解消できる見込みがあることを、数値で示しました。
たとえば、「oviceを利用することでちょっとした会話が増えましたか」の質問に対し、「少し増えた」「まあまあ増えた」「明らかに増えた」と回答した割合は48.3%と半数近くにのぼり、コミュニケーション活性の効果は得られていると判断できました。
またこの効果測定では、業務の効率化についても調査しており、oviceに一定の効果があると判断しています。「電話の代わりに話しかけることで業務の効率化ができたか」の質問に対し、48.3%の人が「少しできた」「まあまあできた」「とてもできた」と回答しています。
レイアウトは明るめの色を基調としたものにしています。見た目がいいのと、アバターに表示される名前が黒文字なので見やすいようにという意図です。
座席は一定間隔あけて配置するようにしています。椅子があることで心理的に落ち着く効果があるようでしたので、椅子を配置しています。話声が聞こえてしまうことを不便に感じる方も少なくないようでしたので、間隔をあけて配置したのも工夫の一つです。社員の心理的安全性の確保を意識しています。
あとは、部署ごとにエリアを分けて、会議室を間に配置しています。座席については特に指定していないので、好きな場所に座っている状況です。部署を訪れるメンバーは誰か特定のメンバーを訪れているのではなく、チームに対して相談に来ることがほとんどですので、不便はありません。
これらは出社したら自分の部署のエリアに行って席につく、というこれまでの体験をoviceに置き換えて考えました。
補足ですが、レイアウトが変更できる点は遊び心が感じられると社内でも評判がよいです。全体的にかわいらしい印象があるのでとっかかりやすいと感じてもらえたように思います。利用し始めてすぐに3Dのレイアウトが登場し、「こういうのが欲しかった!」という喜びの声も社内ではありました。
一日の利用者は一定して500人前後で推移しています。基本的には、出社時もリモート勤務の際もログインしてくださいと声かけをしています。
いまは3割程度がオフィスに出社しているのですが、その場合目の前のメンバーとコミュニケーションをしてしまうということもあり、ログインを忘れることも起こっています。
これからもハイブリッドワークを継続していくにあたり、リモートメンバーとスムーズにコミュニケーションできるoviceは活用していきたいと考えています。出社メンバーにとって、より使いやすいoviceの運用も考えていきたいです。
私たちはoviceをツールだとは捉えていません。バーチャルオフィスはメンバーが業務にあたるための空間であり、こうした観点から物理オフィスと同じ存在だと認識しています。現在すでに、仮想オフィスとして総務部に管理を移管しています。
我々はいま、新しいテプコシステムズを目指しています。2022年を「ニューフロンティア元年」と定め、社員それぞれが「このような会社にしていきたい」という意見を持ち寄って、働き方の理想を検討して実現を進めています。
こうして描かれた目指す会社像の中には「楽しく働いてワクワクできる」という要素が含まれており、oviceのような遊び心のあるツールはぴったりだと考えています。今後もoviceを使って、組織が目指す働き方やチームを実現していきたいです。
実は、oviceを使っている事に対する就活生の反応がとてもいいんです。「真面目な会社の意外な一面を知れた」という感想をもらいます。oviceの活用は私たちの目指す組織の体現をサポートしてくれていると思っています。