和歌山大学 システム工学部 ソフトウェアデザイン研究室
他大学との合同研究発表会や学生の進路相談、退官する教授の最終講義など
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2020年8月にサービスリリースされたバーチャル空間「oVice(オヴィス)」ですが、最近では教育機関での導入が加速しています。「教育機関」と一口で言っても、その用途は学会や研究発表会、学生の進路相談などさまざま。それをどのように工夫して実施したら良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は他大学と合同の研究発表会でoViceを利用し、学生の進路相談などでもoViceを活用してくださっている和歌山大学の満田成紀先生に、会場レイアウトや運営方法などのポイントについて伺いました。
見学させていただいたのは、2021年3月10日と11日の2日間にわたり和歌山大学・近畿大学・わかやま産業振興財団・和歌山情報サービス産業協会が合同で開催した「第19回学生(院生)研究成果発表会」の2日目。参加者は両大学や県庁、民間企業の方など約40人でした。
まずは発表者11人がステージに集合、各自が持ち時間3分の中でそれぞれの研究内容を発表していきます。その後ポスターセッションに移り、聞きたい発表者のブースに参加者が移動し、画面上で共有された資料を見ながら発表を聞くというスタイルでした。
発表を聞いた後は各参加者が会場内に設置された投票箱をクリック。投資したいと思う研究内容に投票し、最終的に多くの投資を集めた人が最優秀賞となります。
研究成果を発表している様子。ステージ(左下の会議室)内の発表をオープンスペースで視聴できるようにしています。
今回の研究発表会が開かれたのは3月中旬ですが、その1週間前の3日間、夕方の1時間だけ開放し、参加者がアクセスできるような環境を整えていました。
その時間帯は可能な限り満田先生がoVice上にいるようにしたことで、トラブルの芽を事前に摘むことができるだけでなく、質問を受けることで事前に参加者に操作のコツをつかんでもらい、当日よりスムーズな運用が可能になっていました。
そうした事前準備をしていても、当日トラブルが起きてしまうことももちろん考えられます。そんな参加者のため、「『おかしいな』と思ったら」、「oVice簡単な使い方説明」など、入口付近に看板を複数設置。クリックするとトラブルの解決方法などが書かれており、参加者自身が対応しやすいよう工夫がされていました。
また、多くの参加者が集まる場合誰が運営側の人なのか一目で分かるよう、会場管理人のアバター画像を会場近くの看板上に掲示し、誰に質問すれば良いのかがすぐに分かるような工夫がされていました。
今回の研究発表会は上述のとおり、各学生の簡単な研究紹介からポスターセッションに移るという流れでした。
そのため参加者が自由に動いてポスターセッションを見学でき、かつ終了時間などのアナウンスが全員に問題なく届くよう、会議室は設置せずオープンな環境で実施していました。こうした「自由な見学」を可能にし、かつ時間管理をきちんと行わなくてはならない場合、会議室を設定してしまうと主催者の声が届かず、運用が煩雑になってしまいます。
よりスムーズに動き回れるようにするためにも、特に込み入った会話が発生しないイベントを行う場合は、全てオープンなスペースで行うことが成功の秘訣だと感じました。
逆に、進路相談など、周りの人に聞かれない方が良いものについては、きちんと会議室を設定することで安心して話ができる環境を整える必要があるそうです。
オープンなスペースで行われたポスターセッション
発表者が集まる舞台はレイアウト上の左下に設置されていましたが、これにも理由がありました。それはマウスを使って画面をスクロールする場合、縦スクロールの方がより簡単であり、より開催場所が見つけやすいということ。そうした参加者の操作面での動きを想像し、レイアウトを作ることで、「発表会場が見つからない!」といったトラブルを防ぐことが可能になっていました。
ここまでの「コツ」も計算しつくされていて素晴らしいものばかりでしたが、さらに目を見張る玄人芸が会場には施されていました。それは満田先生が独自に作った拍手機能。
最後の結果発表の場面で、優秀賞、最優秀賞が発表されたタイミングや、受賞者からのコメントを聞いた後、写真の「拍手」ボタンを押すと「パチパチ」という画面表示とともに、会場全体に拍手の音が響きわたるというもの。
この実現方法は超上級のため、おそらくほとんどの方が自力で実現するのは難しい…のですが、耳からも参加者を楽しませる工夫が施されていました(oViceにも拍手機能を付ける予定…です汗)。
※2022年3月時点、「リアクション機能」として実装を完了しております。
oViceでは自分がイメージしているものが実際に実現できるので、色々な場面で活用しています。
拍手機能などはおそらくイベントや学会など、特に外部の参加者が集まるような場面で喜ばれる機能だと思うので、ぜひoVice自体に早く導入してもらいたいです!そのために、Upvoyで意見を投稿・投票し続けようと思います!
※2022年3月時点、「リアクション機能」として実装を完了しております。