自動車に関するさまざまなサービスを営む組織。くるま社会のセーフティネットとして、ロードサービス事業・災害発生時の特別支援隊派遣・地域防災訓練へ参画するほか、各種交通安全講習会、モータースポーツの振興、各種会員優待サービス、会員親睦イベントなどをおこなう
JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 坂口正芳)では、2年に一度、全国から選抜されたロードサービス隊員の接客やロードサービスの救援技術等について競う「全国ロードサービス競技大会」を開催しています。感染症流行の影響を受け、2023年は4年ぶりの開催となりました。
同競技大会では、oviceのスペースと「窓」を活用し、競技の様子を配信。全国の8地方本部から選抜されたロードサービス隊員が参加する様子を、各地からリアルタイムで観戦可能にしました。
イベントの様子と、ovice活用の理由について、一般社団法人日本自動車連盟 DX推進本部長の廣野理事にインタビューしました。
ー今回開催された、全国ロードサービス競技大会について教えてください
全国から選抜された弊社ロードサービス隊員が、接客、ロードサービスの救援技術等について競技をします。
1日目は個人競技で、町田ドライヴィングスクールの各コースを実際の道路に見立てて5つの競技を同時に開催。地方本部ごとに、計8回おこなわれます。
oviceでは5つの窓ソケットを「配信モード」をオンにして投影しました。このスペースにアクセスした観覧者は、アバターとなって自由に会場内を歩き回って興味ある競技を観戦できるようになりました。
2日目は団体競技で、4名一組で取り組む競技です。こちらは弊社中央研修センターで、1日目同様1つの競技を地方本部ごと計8回開催しました。
4つのアングルと、全体を投影する1つのカメラを用意し、ovice上の5つの窓にて配信をおこないました。
(編集部注:配信モードをオンにすることで、オブジェクトの範囲外へも映像が配信されます 参照:ovice ヘルプセンター 窓ソケット)
ー今回oviceや「窓」を活用した理由を教えてください
現在JAFでは、デジタル技術でビジネスモデル、働き方を変えるDXに取り組んでいます。2020年以降、JAFの働き方改革は進んでいますが、疎外感や孤独感といったストレスが発生し、こうした側面を解消するためメタバースを活用することを決定しました。
2022年5月には、oviceを使って、全4階からなる「JAFITアカデミー@メタバース校」を開校し、全職員のITデジタル人材育成のための社内研修をおこなっています。
また、DX推進本部では出勤者・在宅勤務者とも、この校舎の2階にある執務スペースに出勤し、毎朝の朝礼や夕礼などをおこなっています。
こうしてoviceを使うことで、働くことだけではなく、人とのかかわりにおいても距離・場所・時間の制限が変わったと気付きました。
今回の全国ロードサービス競技大会にも、oviceを使えば全国各地の職員が応援できると考え、実行しました。
さらに、oviceに本年(2023年)実装された「窓ソケット」を活用すれば、同時進行する複数の競技をメタバース会場に配信できるとのことで、さっそく取り入れてみました。
ー全国ロードサービス競技大会には、現地観戦も含め何名ほどの方が参加されましたか
競技大会の実施されたリアル会場へは、1日目は163名、2日156名が来場しています。
ovice会場には、両日とも数百名の観客がアクセスしていました。
ー「窓」の配信にはどのような機材をお使いいただきましたか?
JAFで保有しているiPadを活用しました。インターネット回線は、モバイルWi-Fiルーターをレンタルし、利用しました。
ー配信は問題なくおこなわれましたでしょうか?
はい。撮影係からは「接続が簡単。QR二次元コードを読み込むだけで配信できました」という感想がありました。
ーレイアウトの工夫について教えてください
2日間とも主催部署の担当者がメインレイアウトを作成、細かな部分のみ、DX推進本部がfigmaで調整しました。
事前に「通信に負担がかからないよう、なるべくシンプルに作成して欲しい」とオーダーしていました。
2Dでシンプルではありますが、お金をかけずに自分たちで楽しみながら作成できました。
ー次回に向けて注力したい点はありますか?
今回の競技大会のovice会場を録画していたのですが、映像が一部記録できていなかったので、原因を特定し解消したいと思っています。
ーたくさんの方がoviceに観戦に来てくださっていました
皆さん楽しんでいただけたようです。以下のような声をいただいています。
ーチャット欄も盛り上がっていましたね。今後のovice活用の見通しについて教えてください
JAFでは、これからのメタバースの可能性を研究、検証していくことを進めています。
現在のデジタルワークプレースとしての「JAFITアカデミー@メタバース」だけでなく、今回のようなリアル空間とバーチャル空間を融合させたイベント以外に、どのような活用方法があるのかの実証実験を続けていきます。
特にメタバースでのワークショップによる異業種交流会や各種セミナーの開催を計画しています。