北海道公立小学校
北海道にある公立小学校の6年生の1クラス。
日常生活を一変させた新型コロナウイルス。小学校でも学級閉鎖が起こり、学習の機会・交流の機会が減ってしまいました。
今回お話を聞いたのは、北海道のとある公立小学校で授業にoviceを活用した事例です。6年生で卒業前という思い出に残るタイミングでバーチャル空間oviceを利用した理由、そしてどのような喜びの声につながったのかをご紹介します。
札幌市では2020年の4月から6月の3ヶ月間、新型コロナウイルス感染防止を目的に市内の全ての小学校で学級閉鎖がありました。それ以降、「児童が1人でも感染したらそのクラスは最大で5日間閉鎖」というルールが適用されています。
私が受け持つクラスでも何度も学級閉鎖になりました。当初はホームページで教材を配布し、あとは各家庭にお任せするという形でしたが、タブレット配布やビデオ会議ツールを使ったオンライン授業を行うなど、あらゆる方法で、物理的に離れているなかでのクラス運営を模索してきました。
oviceを導入する前に使っていたビデオ会議ツールは、大勢の児童を対象にした授業自体は行えていたのですが、どうしても一方通行なコミュニケーションになってしまいます。
小学校の授業というのは教え手が一方的に内容を話すだけでなく、隣の席の人と相談したり・グループで話し合ったり・質問して疑問を解消したりなど、コミュニケーションをとりながら進行します。既存のオンラインツールではどうしてもこれらを再現することができず、学習効率がどうしても悪くなってしまっていました。
また、授業時間以外の児童同士の雑談もなくなり、寂しい思いをさせてしまっていたように思います。
2回目の学級閉鎖のタイミングで、同じ学校の他の教諭にoviceを紹介してもらって、使ってみました。児童たちの反応もかなりよく、そこから継続的に使っています。
教室ではできていて、オンラインになると途端にできなくなった「隣の席の人に質問する」「グループで話し合う」「教師に質問する」という行動が、oviceでできることに感動しました。そして児童同士が自由にコミュニケーションをしている様子を見ることができて、使い始めてすぐの段階で「導入してよかった」と思いました。
教師としての目線では、教室のどこにどの児童がいて、彼ら彼女らが何をしているのか一目でわかります。このような景色は、まさに教室に来てもらっていた時と一緒で、担任として非常に重宝しています。
最初はログイン方法やマイクの切り替え方など、1時間くらい操作説明に時間をかけました。以前同じようなバーチャルサービスを使っていたことがあり、それを積極的に使っていた児童はoviceもすぐに慣れてくれたようです。そうでない児童へのケアは手厚く行いました。
oviceを授業だけで使うのではなく、放課後の時間もスペースを開放していました。学級閉鎖でクラスメイトと話せないストレスを少しでも和らげたかったのです。
この放課後のスペース開放は想像以上に楽しまれていました。時間いっぱいまでほとんどの児童が残って雑談していました。
卒業式直前に学級閉鎖が決まった時があったのですが、その時は特にoviceがあってよかったと思いましたね。放課後みんなで学校生活の思い出を語り合ったり、「卒業式に何かしよう」と一緒に企画を進めたり…。
「最後だし、夜までみんなと話させてほしい」というお願いもあって、一回だけ特別に許可しました(笑)
児童たちに対する信頼があったからこそ、oviceを学習支援にだけ活用するのではなく、自由に過ごす時間を設ける形で利用することができました。バーチャル空間の良さを十分に活かすことができたように思います。
児童たちのoviceに対するポジティブな印象がそのまま伝わっているようで、保護者のみなさまもoViceに感謝しているようでした。「家にいるとずっとゲームをしているからよかった」「友達と話せるようになって、表情が明るくなった」という声もあがっていて、かなり好評です。
卒業前という小学校の思い出づくりの最後のチャンス、児童たちにとって本当に大事な期間にoviceを導入していて本当によかったと思っています。
実は私は2022年の春から別の学校に転勤していて、当時oviceをクラス運営に活用していた複数人の先生方も同じタイミングで他校への勤務となりました。
先生方と「もし同じ学年持つことになったらoviceを使って合同授業してみたいね」とよく話しています。異なる学校のクラスが繋がって、一緒に授業をしたり交流したりすることは、児童たちにとっても刺激的で楽しい機会になるのではないかなと思っています。