中外製薬株式会社
日本の大手医薬品メーカー
日本の製薬業界を代表する企業、中外製薬のカスタマーソリューション部 デジタルソリューショングループでは、ハイブリッド勤務の課題を解決すべく、バーチャルオフィス「ovice」を利用しています。在宅勤務とオフィス出社のメンバーのいる組織で、何を課題に感じバーチャルオフィスを導入したのか、またバーチャルオフィスの活用で困ったことや、得られた成果についておうかがいしました。
出社する・しないは各人の判断にゆだねられている状況です。業務の必要に応じて出勤しますが、私の場合は基本は週に1回程度出社しています。ただ時期によっては2か月リモートで勤務していたということもあります。
今は営業本部・カスタマーソリューション部と全国の中の数か所で導入になっています。また営業本部以外でもトライアルが始まっています。
私が所属するカスタマーソリューション部では、在宅勤務では基本ログインを推奨しています。所属者の人数は約40名ですが、そのうち半数が日々ログインしている状況です。自身が出社していてもチームメンバーがoviceにいますので、ほとんどの人が出社時もoviceにログインしています。
他部署については、業務によって入る人と入らない人がいる印象です。たとえば本社以外の営業現場の場合、バックオフィス系や、学術まわりのことに従事している人ですとログインしているようです。MRと呼ばれる医師や薬剤師などの医療関係者に営業に行く担当は、用事がある際にログインしているようです。
ちょっとした連絡がしづらかったことがあります。コロナで全員在宅勤務という状況になって、何か聞きたいときに電話しか手段がないとなると、一日の多くが電話に占領されてしまうんですよ。複数名に確認が必要なタスクとなると、わざわざTeamsにみんなで集まらなければならない。これもやはり、30分単位ですけれど、スケジュールに入れていくと、他のやらなければならないことが遅れていくんです。その場にいれば10秒で終わるようなことを“わざわざ”という感覚が常にありました。在宅勤務の働き方は、明らかに生産性が悪い状況でした。
つまり「小さな確認事項をオープンに聞けるバーチャルオフィスを導入しコミュニケーションを円滑にさせて全体の業務効率を向上させたい」その思いからovice導入を検討しました。
兼務者が我々のグループに配属されたことです。私のグループは12名在籍しているのですが、4名が兼務者というポジションです。4名のうち2名は東京なのでオフィスで顔を合わせることもできますが、のこり2名は九州・東北支店の勤務なのです。
両名は2021年の7月にグループに配属になったのですけれど、グループの誰とも顔を合わせたことのない状況なわけです。その中で、一緒に仕事をするとなって…どんな人なのか、今どのくらい忙しいのかといった情報がまったく分からないことは良くない、と考えました。またお二人の気持ちを考えたときに、距離は離れていても信頼関係を構築できるツールとしてバーチャルオフィスに行きつきました。
3Dでは業務に使っているパソコンのスペック的に耐えられないと判断しました。あとは、oviceのサポート体制ですね。oviceにはツアースペースがあるので、何か聞きたい、困ったという時に即時直接お話ができます。日本の会社だということで安心感も抱きました。
ーバーチャルオフィス導入に対して、グループメンバーの感想はどんなものがありましたか?
この点は、アンケートをとって確認しています。「メール・チャットで確認していたことをoviceで確認するようになった」という意見があったのですが、これは個人で業務が完結する方・プロジェクト形式で業務に当たっている方、いずれからも出ています。oviceの有用性が感じられる結果でした。
このアンケートでは「小さな確認事項」の件数も確認しているのですが、1日平均2~3件の確認事項があったことがわかりました。ベテラン・新人関係ない数字です。この結果からも、oviceを導入して良かったと思っています。
そうですね、この問題は、厳格な運用ルールを定めることがポイントだと思っています。ログインすることでパソコンに負荷はかからないから、入りっぱなしにしてくださいと説明しました。
あとは、ブラウザ(Chrome)を立ち上げたときに、一緒にoviceが立ち上がるように設定してもらいました。
加えて、今回導入の目的は「ちょっとしたことをスムーズに確認する・それによって業務効率を高める」というところにあると見据えていたので、「ちょっとしたこと」の決裁権を持っている人物にログインしてもらえるようはたらきかけました。
課長が入ってくれないのであれば、その上の部長から指示いただけるようお願いをしました。プロジェクトリーダーにもしっかり入ってもらうようにしました。そうすると「oviceで確認したほうが速い」となって結果的にグループのメンバーがログインしてくれるという状況が実現しました。
そうですね、カスタマーソリューション部の平均年齢は少し高めなのですが、PC操作が苦手…という方もいます。やはりoviceログインのハードルは高いようです。
oviceがあるよ、ということは伝えたいと考えていました。なので、飲み会をoviceで開催するようにしたんです。飲み会というと、PC操作やバーチャルオフィスに苦手意識のある方でも来てくれるんですよ。
2月の終わりに開催したのですが、チームメンバーにまつわるトリビアを3択クイズにしました。すごく盛り上がりました。
この取り組みは、いろんな人に「とても良かった」とお褒めいただきました。
地方の支社にいる兼務者の感想が一番うれしかったですね。以下のように話してくれています。
「『先帰るね!』と声をかけられるなど、現実で出社した時のような帰り際の雑談があってうれしかったです。oviceがあることで皆が同じ場所にいる安心感を感じられました。自分がチームのメンバーであることを感じられる唯一の場所となっています。」
「メンバーのこともわからない中での兼務開始で不安も緊張もあったが、緊張感が解けた。こんなこと聞いていいのかな、と臆することなく先輩方に質問できます。」
私の上司が、試しに、「oviceに入らなかったらどうなるか?」という実験をしたんです(笑)この時、2~3日間、あえてログインをまったくしなかったんですけれど、びっくりするほど電話が鳴り続けて…「もう、oviceなしじゃきついですね」と断言していました。
もう一つ印象的なエピソードがあります。私の所属する部の、いろんな部署がからむような緊急事態が一度起こりまして。大勢で動かねば解決できないという事態だったんですが、この時、この事態解決にあたった8名がoviceで集合したんですね。ちょっと階段のところ集まって!みたいな感じで。
あなたは電話を、あなたはこれしてください、資料はその場で共有しながら作って、承認者もその場で即確認して次に進めて…という光景でした。相当、速く進める事ができたと思います。これを電話でやっていたらと思うと…oviceの便利さを痛感しましたね。
いま、社内研修をoviceで開催しています。180名程度が対象の研修なのですが50~60名が来てくれています。
それと、他部署への導入を推進しています。プロジェクト型の業務もたくさんあるので、部外の方と話す必要があります。こうした時にスムーズに進行するためにも、ovice導入が必要だなと思っています。
現在は社内での運用にとどまっていますが、社外との交流の場へと応用していきたいと思っています。
4つあると思っています。
今後も、より多くの社員の業務生産性の向上に寄与できると確信しています。