1998年設立。2007年より海外向けSEO、海外向けWeb広告、海外向けSNS広告事業を展開。東京のほか、千葉県松戸市、福島県、沖縄県等に事務所を構えた経歴がある。
海外向けSEOや海外向けWeb広告運用などのWebマーケティング支援を手がけるアウンコンサルティング株式会社は、グローバルな組織であり、在宅勤務を含むフレキシブルワークスタイルを採用しています。
バックオフィス担当を経て、間接部門全体を統轄する、同社CSO高橋様よりovice活用までの道のりと現在をお聞きしました。
現在は完全フルリモートでの勤務スタイルを採用していて、事務所への出社はごく少数です。メンバー同士のやりとりにはoviceを含む各種ツールを活用しています。
2006年以降「遠隔で業務をする」「東京・沖縄・タイをスカイプで繋いで仕事をする」という働き方がスタートしました。各オフィスの様子をカメラで映して、スカイプの画面で流しながら仕事をするといったことも行われていました。
2011年の東日本大震災を契機に東京本社にあった本社機能・バックオフィス機能を沖縄法人に集約しました。
これは地震が少ないエリアが沖縄だったというのもありますが、BCP対策のために、人員をある程度分散させた方が良いと考え、沖縄法人に管理部門を集約しております。
ただ、大きな地震はないものの、沖縄は台風の多い地域なので、台風が起こったときに事業活動を止めないようにという考えから、非常事態に備えて月に4回在宅勤務をする制度を設けました。在宅勤務が制度として導入されたのがこの時期です。
ある社員が、配偶者の転勤の関係で、本社への出社が難しい状況になりました。その社員は就業継続の意思があり、会社としても「働きやすさ」も重視するべきだと考え、フルリモートで働ける制度を整え、その人が初めてのフルリモート社員となりました。2016年のことです。
その方は今も当社に勤務しており、関西から働いています。
そして2020年の新型コロナ流行をきっかけに、同年2月から東京本社のメンバーが全員リモートワークへと移行し、4月には東京に引き続いて沖縄支店もリモートワークへと移行しました。
2021年1月に導入しました。当時さまざまなコミュニケーション課題を感じていました。
具体的に言うと、オフィスだと簡単に聞けるちょっとした事がリモートワークだと聞きにくくなり、上司やメンバーが今何をしているのか把握し辛いため、気軽に報・連・相ができなくなってきていました。
こうした事態を改善するため、定期的にオンラインでのMTGや面談も行っていましたが、日々のコミュニケーションはチャットだったため「相手の雰囲気」や「顔色」が分かりづらく、オフィスでできていた他愛ない雑談が減ったことで偶発的なコミュニケーションも極端に減りました。
気軽な雑談やコミュニケーション、そこから生まれる偶発的なコミュニケーションを目的としていたため、ネット回線への負荷が少ない操作性と価格で比較しました。
サービス比較と合わせて、課題解決のため、「オフィス環境に近く、気負わず導入できるか」というポイントでも考えた時にoviceを選択しました。
東京本社がリモートワークになったタイミングでオフィスの規模を縮小し、2023年3月には固定のオフィスからシェアオフィスへと本社の形も変化しています。
2023年5月には沖縄支店を完全に閉鎖して、支店メンバーは全員本社所属となりました。
コロナ以前は月額のオフィス賃料で約250万円の費用が発生していました。
賃料以外にもオフィス入居時の内装費や退去時の原状回復費用、移転費用などの負担も発生しますし、規模が大きくなればなるほど敷金などの一時的な現金の支出による負担も大きくなります。
賃料支払いがなくなった代わりに、システム化による業務改善やペーパーレス化、コミュニケーションのためのコンテンツや環境作りに時間と費用を使用しております。
こうした変遷をたどり、さまざまな工夫をしながらリモートワークを行ってきた結果、2024年1月に東京都主催「第4回TOKYOテレワークアワード」で大賞を受賞することができました。
ありがとうございます。色々なシステムを入れるなど、リモートならではの課題に直面したこともありましたが、それぞれの課題に向き合って解決していったことを評価いただきました。
当たり前と思われるかもしれませんが、オフィス勤務とリモートワークは別物として捉えるというのが一つ目のポイントになります。
「物理的な距離があるため、直接的な接点を持つことが難しい」。それが、リモートワークの弱みであり特徴です。ここをきちんと理解した上で制度設計をしないと、なかなかうまくいかないのかなと感じています。
リモートワークでは、オフィスで働くときとは全く異なるスキルが求められます。
オフィス勤務とリモートワークはそもそも全く違う環境のため、オフィス勤務のときのルールをそのままリモートワークでも当てはめてしまうとうまくいかないことがあると感じています。
一方で、オフィス勤務とリモートワークを併用した場合、リアルでのやり取りが多くなってしまいがちで、情報格差が生まれるなどしてリモート社員がどうしても置き去りになってしまいます。こうした点は気を配りながら解消していくべきだととらえています。
ovice上にアバターでいるときはいつでも話しかけていいというルールにしています。
これは当たり前のことのように思われるかもしれませんが、意外と「声をかけていいのかな」と話しかける側が躊躇してしまう事態が見られました。そのため、明確にルール化して発信し続けています。
また、朝礼やチーム間の少人数の打ち合わせはできる限りoviceで実施するようにしています。
個人間のチャットでのやりとりについては、機密性の高い内容以外は極力使用せず、できる限りovice上も含めたオープンな場所でやり取りするという明確なルールも設定しています。
リモートワークでは、誰かが近くにいて、雰囲気を感じたりその様子を見たりしながら覚えるというのが難しい環境なので、自分が経験したことや自分が身につけたノウハウは可能な限り可視化して、社内の資産として残しておくことが大事だと思います。
またそのような難しさがある中で、「雰囲気を感じて、見ながら覚える」ために、アバターでコミュニケーションができるoviceは役に立つと思います。
最初は、oviceをコミュニケーションツールとして、つまりSlackやTeamsと同列のものとして社内に周知を図ったのですが、振り返ってみるとそれはあまり良いやり方ではなかったと感じます。
コミュニケーションツールを使うモチベーションは、コミュニケーションがスムーズかどうかや、それを使ったことで生産性や意思決定の精度が上がったかどうかにあると思います。このような視点で考えた際に、使い慣れたツールをあえて変えてまでoviceを使うということにはならないと思います。
そこで、「oviceはコミュニケーションツールではなく、ワークプレイス」だということを改めて周知しました。
ワークプレイスは、リアルオフィスと同様、就業環境であり、場として機能するものです。
このように考えると、oviceに期待する価値は「一緒にいる感覚が得られる」「会社への帰属意識が持てる」「離職率が下がる」となります。
こうした定義のもと、再度社員に活用を促しました。
バーチャルオフィスをワークプレイスにするということは、今までとは違う働き方を推進することです。
利用者のスキルや意識の変化が必要ですし、非言語のコミュニケーションや雰囲気を感じるかどうかも人それぞれです。
oviceを導入して間もない頃、社内メンバーとの関わりが少ない業務を担当するメンバーにとっては、oviceを利用する動機が希薄であるため利用が進みませんでした。
こうした状況を改善するため、導入当初は「どこに置いてもOK」としていたアバターについて、部署ごとに置く場所を指定しました。これにより、自分のアバターの隣にはチームメンバーがいる状態を作りました。oviceで、雰囲気や熱量を感じることができることを、体感してもらえるように…という意図です。
また、チーム内でのちょっとしたMTGはovice上で行うようにするなど、少しづつ定着できるような工夫をしました。
ワークプレイスの醍醐味である「場の雰囲気を感じられる」という状態を目指して運用していたので、「oviceに戻ってきたら周りから会話が聞こえて、リアルオフィスで働いてるみたい」というコメントをもらった時はうれしかったですね。
また、「リアルオフィスだと難しそうな顔をして仕事をしている上司には話しかけづらかったのが、アバターがあるイコール話しかけても良いというルールがあるために、話しかけやすくなった」という喜びの声もありました。
さらに強者になると、「アバターから何か雰囲気を感じ取れるようになった」ということをいう方もいますね(笑)
リモートワークという働き方を採用することは、必然的に従業員に対して変化やスキルのアップデートを求めることになります。こうした変化に追い付いてもらう必要性を社員に認識してもらったり、実際にキャッチアップしてもらったりする必要があります。
oviceの利用頻度が高いチームはやはり生産性が高く、離職率も低いことがわかっています。まだ社内にはoviceが定着していないチームもありますので、引き続き全社内に定着を図っていく予定です。