2021年7月16日にoVice初の大規模イベントとして完全オンラインで開催した「oVice Summit2021」。約1000名の方にご参加いただき、無事にイベントを終えることができましたが、多くの方から「どんな風に準備したの?」、「集客はどうしたの?」など、たくさんのご質問をいただきました。
そこで今回は、oVice Summit2021の舞台裏をご紹介いたします。イベントマネジメント、集客、撮影・配信、レイアウトの4つの側面から、イベント開催についての知見を共有します。
今後のoViceを活用したイベントの参考にしてみてくださいね!
(回答:イベントマネジメント担当 大波)
―そもそも今回のoVice Summit2021のコンセプトはどんなもので、どれくらいの規模を想定していましたか?
今回のoVice Summit2021では「オンラインのイベントでもここまで参加者の皆さんに楽しんでいただくことができる!」ということを示せるよう、さまざまなコンテンツを準備していました。主にoViceユーザーの方に声掛けし、1000人規模で開催することを考えていました。
―イベントの準備はどれくらい前から始めましたか?
実は今回のoVice Summit2021の準備を本格的に始めたのは3週間前からでした。
「短期間で準備できます!」と言いたいわけではなく、もっと早く準備をすべきだったと反省しています。今回実施してみて、今回の規模感であれば少なくとも2ヶ月前から準備を開始できたらよかったと感じています。
―そんな中、3週間でどのように準備したのですか?
とにかく皆に協力を依頼しました。主要メンバーを10名ほどにして、レイアウト担当、集客担当、配信担当など、担当を決めました。その際、できるだけ各人の得意分野を担当してもらえるように工夫しました。
できるだけ余裕をもって準備することを強くおすすめしますが、①やるべきことは何か、②それをいつまでに終える必要があるのか、③間に合わなかった場合どのようにフォローするのかを意識して準備するというのも重要なポイントですね。
私はGoogleスプレッドシートを使って各自のタスク管理を行い、遅れがないか毎日確認していました。また、急なトラブルに関しては予定を変更して対応しましたが、メンバーがそれを受け入れてくれたのが助かりました。
―リハーサルもかなり重要だったのではないかと思いますが、どれくらいの頻度でどう行いましたか?
本番当日までに、15回くらいは行っていました。特に開催まで一週間を切ってからはほぼ毎日行っていましたね。ちなみに当日は2回行いました(笑)
リハーサルのポイントは全体の通しを何回も実施するのではなく、細かく区切って分割して練習することです。通しのリハーサルは参加すべきメンバーが多くなるので、現実的に何回も実施するのは難しくなります。そのため細かく区切って最低限必要なメンバーを集めてリハーサルを行うよう心がけました。また、細かく区切ることで振り返りがしやすくなり改善スピードが上がりました。
―当日はどれくらいの人数で運営しましたか?
参加できる社員はほぼ総出で運営したといっても過言ではないですね(笑)お客さま対応担当やレイアウト変更担当などを含め、人数としては20人以上はいたのではないでしょうか。今回は3フロアに分けて開催していたので、各フロアに誰を配置するのか、それぞれどのようなことを担当してもらうのかをしっかり決め、表にまとめて全体に共有していました。基本的にはその資料を見ればどのタイミングで誰がどこで何を担当しているのかが分かるようにすると同時に、当日の連絡はチャットツールの「Slack」を使って運営メンバー全員が一気にやり取りできるようにしました。
―今回と同じ規模感でoviceでイベントを行うとしたら、いくらくらいになりますか?
今回は1000人規模だったので、各フロア300名ずつに分けることにし、500人同時アクセス可能なサイズのスペースを3つ使いました。そのため、金額的には50,000円×3=150,000円(税抜)ですね。これくらいの規模だと準備期間を含めて全部で2ヶ月間はあった方が良いと思うので、300,000円(税抜)となりますね。
―イベントに関するチェックポイントなどがまとまっているものはありますか?
あります。オンラインのイベントは「手軽にできる」と思われがちですが、実はオフラインのイベントと同じくらい準備は大変です。でもしっかり準備すれば、自分たちが達成感を感じられるだけでなく、お客さまの感動もオフラインと同等かそれ以上のものにできるはずです!
準備も大変だし、イベント直前のラストスパートっぷりは、例えるなら文化祭ですね(笑)
具体的なto doに関しては、以下の資料をご参照ください。
イベント資料:oVice Kick Off MTG
イベント準備todoまとめ:イベントの準備について
ovice活用事例(イベント):オンラインイベントやネットワーキング、成功させるためには
(回答:集客担当 重神)
―集客はどのようにしましたか?
主に2点です。一点目は既存ユーザーへの認知。oviceユーザーの方たち向けに告知メールを送りました。「お食事無料」という点が分かるような内容で送ったことで、かなり多くの方からお申込みをいただくことができました。
もう一点は、新規ユーザーの方への告知です。具体的には、イベントなどの告知・集客ができる「Peatix」を使った広告を出しました。「Peatix」を選んだ理由は、普段からoviceの説明会やイベントの告知などで利用しており、慣れていたためです。その効果は絶大で、無事約1000名の方にお申込みいただくことができました。
―すごいお金がかかったのではないですか?
数百万円かかりました(笑)。ただ同時に、かけた費用以上の価値があるとも思いました。実際に1000人が集まってoviceに触れ、oviceのファンが増えることで、今後も契約を継続してくださったり、新たに契約してくださったりすることを考えると、費用をかける価値がある。むしろかける必要があると思いました。
また、oVice Summit2021で、oviceの今後の方針も見てもらえたので、単純にoviceをデモ体験するよりも、「oviceってこんなこともできるんだ」、「今後こうやって伸びていくんだ」と思っていただけたのも良かったと思っています。
―集客はいつから始めるのがいいですか?
1ヶ月半前ですね!ちなみに今回は3週間前でした。なのでめちゃくちゃドタバタしました。
3週間前に告知してみて感じたのは、思ったよりすでに予定が埋まっている方が多いということでした。より多くの人に参加してもらうためにも、イベントの構想が1ヶ月半前にはある程度できている状態で、そこから集客するために必要な情報を整理し始めて、できる限り早く告知することが重要だと痛感しました。
個人的にギリギリのデッドラインは1ヶ月だと思いますが、おすすめは1ヶ月半前ですね。
集客はコントロールができないので、例えばプランAでうまく集客できなかった場合、プランB、Cと打っていかないといけません。そうするためにはある程度時間がいるので、その余裕を持つという意味で1か月半前がおすすめです。
―今回何が一番大変でしたか?
スタートが遅れた分、全部後手になったことです。イベントの概要が固まらないと集客が始められないと思い込んでしまっていたのですが、途中からそんなことも言っていられなくなり、かなりざっくりした概要だけで集客を開始し、決定した内容を小出しにしていくという形に変更しました。
イベントの内容がきちんと固まっているに越したことはありませんが、固まっていなくともまず集客の時間を確保することを優先し、概要だけでも良いので早めに出すということが大事だと感じました。
(回答:撮影・配信担当 上野)
―今回はどのように配信をされていたんですか?
今回のイベントは人数規模が大きかったため3フロアに分かれての開催となりました。3階のVIPフロアに登壇者の方に来ていただき発表を行い、その様子を撮影してYouTubeに配信。1階、2階ではあらかじめ設置してあったYouTubeオブジェクトから映像を流して参加者の方々に見ていただいていました。分科会などでコンテンツが複数になる場合は、撮影担当を二人にしてチームで対応しました。
―配信時のポイントは何ですか?
①撮影・配信の確認をきちんと行うことと②音量を丁寧に調整することです。一人ひとり使っているマイクやヘッドセットの種類・性能が違うので、大きすぎる音はないか確認したり、撮影・配信したYouTube映像に遅延が発生していないかを確認することが重要になってきます。
今回は、3階のVIPフロアの様子を1つの端末で見ながら、もう一つの端末で3階の様子を撮影してYouTubeに配信しその映像を2階と1階に配信。それがきちんとできているか、自分のスマホを使ってチェックしていました。
―配信するにはどのような知識が必要ですか?
専門的な知識はいらないような気がします。色んな方がブログに書いているし、それらを参考にしながら行えばできると思います。強いて言うなら、ビットレート(映像のきれいさ)と自分の使っているインターネット回線のバランスは把握しておかないといけないと思います。きれいな映像を配信したいのは山々ですが、きれいさを重視しすぎたがゆえにデータが重すぎて、遅延が発生してしまっては意味がありません。そのため、使用するインターネット回線がどれくらいの速さで、どれくらいのビットレートだと遅延なく配信できるのかは事前に試して把握しておくべきです。
また、映像だけでなく音のチェックも重要です。配信していると、「映像が流れている=きちんと配信されている」と思いがちですが、音が割れてしまって聞くに堪えないことがたまにあります。きちんと自分の耳で聞いて、音量を調整することが大事です。
配信に関しては、①可能な限り配信の方法を自分で調べて、②まずやってみて、③とにかく慣れるということが重要です。
―すごく難しそうですが…本当に素人でもできますか?
できます。配信は何度か担当したことがありますが、私自身高いソフトや機材を使っているわけではありません。ポイントは事前に起きうるトラブルを想定してそれを回避できるか、それでもトラブルが起きてしまった時にきちんとリカバリーできるかだと思います。そういう意味では、いきなりぶっつけ本番では難しいかもしれないので、リハーサルを行ってきちんと配信できているのか、何度もチェックしてみることが大事ですね。
―どのような機器を使っていたのですか?また必要なソフトなどを教えてください
oViceのイベントの配信を行うのであれば、最低限必要なのはパソコンとサブモニターですね。1つは撮影用、もう1つはきちんと配信できているかのチェック用です。
今回配信で使っていたのは①配信用ソフトの「OBS」②音の出し位置を変えるバーチャルミキサーと呼ばれるソフトの「LadioCast」③LadioCastをきちんと機能させるためのソフトである「BlackHole」です。このあたりも調べたら色々情報は出てくるので、さまざまな者を試すことをお勧めします。
―今回の反省点や、改善ポイントは何ですか?
今回の反省点は主に3つです。
一点目は、思った以上に配信に遅延が発生してしまったことです。普段から自宅のマンションの光回線を利用していますが、今回のイベントが金曜日の夜だったこともあり、他の部屋の住人も同じ回線を使っていたのか、いつもより回線のスピードが遅くなってしまったことが原因だと思われます。そのため、3階ではすでにプログラムが終了して休憩時間に入っているのに、映像が遅延していたため2階と1階に流しているYouTube映像ではまだプログラムが終わっていないという状況が発生しました。配信を行う人は、強力なポケットWi-Fiを借りるなどして、インターネット環境を独立させた状態で行うべきだと思いました。
二点目は、社内連携です。上記のように配信に遅延が起きたため、一度YouTubeの配信を切って再配信を行ったところ、配信のURLが変わってしまいました。運営メンバー全員が見ている社内チャットで新しいURLを送ったのですが、必ずしも皆が見られておらず、2階と1階にきちんと映像が配信されない時間が発生してしまいました。事前にこうしたことを想定して配信用URLを2つ用意しておくとともに、万が一のことが発生したらもう片方のURLに切り替えをおこなえるような体制を整えておくべきだったと感じました。
三点目はトラブルが起きたらどのように対処するべきか、メンバー間で事前にトラブルシューティングのマニュアルの整備や周知できていなかった点です。それによってトラブルの解決に時間がかかってしまった場面がありました。想定していないトラブルが起きた時に、各自で考えて工夫できるレベルのメンバーをアサインするというのも必要なことかもしれません。
(回答:レイアウト担当 Sora)
―oviceのレイアウト作成のポイントはなんですか?また必要な時間はどれくらいですか?
イベントのレイアウトはどんなコンテンツが行われるのかで決まるので、事前にイベントの詳細がはっきり決まっていることが重要です。皆の意見をまとめる企画者がいて、それを行うために適切なレイアウトを作成できるデザイナーがいる、というのがベストな体制だと思います。今回は大波さんが企画者的な立場で、レイアウト作成も手伝ってくれました。
ある程度oViceの使い方の知識がある方と協力してやったほうが、機能的にも効率の良いデザインになると思います。500人同時アクセス可能なサイズだと導線が大事なので、人の動きを予測しながら作っていくのも大事なポイントです。
制作期間ですが、1つのレイアウトをラフ案を作るところから完成まで持っていくのに、最低3週間はあった方が安心です。
―今回のレイアウトでこだわったところや、特に大変だったところはありますか?
楽しさを感じてもらえるようなデザインにすることにこだわりました。イベントというのは皆をわくわくさせるものだと思っていて、ビジュアルでそれを表すのがデザイナーの私の役割だと思っています。
レイアウトを制作する上で一番大変なのは、アイデアが浮かばないことです。具体的なイメージがないまま「レイアウトは任せます!」と言われても、こちらもイメージがわかないのでかなり大変です(笑)。今回でいうと分科会のレイアウトがそうでした。「音楽フェス風にしたい!」という要望があったので、それらしいステージを設けるところまではイメージできましたが、どのようににぎやかさを表現すべきなのか、ステージ以外の要素は何を入れるのかがあまり浮かばなかったので苦労しました。
とはいえ、「ここはこうしてください、ここにはこれを入れてください」と細かく決められすぎると、今度はクリエイティブな要素がなくなって全体のバランスが悪くなってしまうのが難しいところです。そのためレイアウト制作を行うデザイナーには、①具体的なテーマと、②必要な要素を伝えるとスムーズにレイアウト作成に移れるのではないかと思います。
―今回のレイアウトの反響はいかがでしたか?
今回はセミナー形式だったので、発表が行われるステージを設けるとともに、顔出しパネルを設置するなど、いくつかフォトスポットを設ける工夫をしました。それを見つけて写真撮影し、Twitterに投稿してくださった方がいたのは嬉しかったです。ただ、思っていた以上に参加者の皆さんが真剣にセミナーを聞いてくださっていたことや、自由時間がほとんどなかったこともあって、想定していたほどはフォトスポットで遊んでもらえなかったのが寂しかったです(笑)
―これからレイアウトをデザインをする方にアドバイスはありますか?
oviceの機能をちゃんと知ってから、それをデザインに組み込むことをおすすめします。
例えば、声が聞こえる範囲はこれくらいだから、各テーブルはこれくらい離した方が参加者が話しやすいとか、アバターのサイズはこれくらいだから椅子はこれくらいのサイズがちょうど良いといった知識ですね。それを持った上でデザインをすることがすごく大事だと思いました。
デザインする側もそうですが、企画する側もそうした点を意識して、「こういうコンテンツがあるのでこういうステージにしましょう」とお互いのイメージを合わせていくのが大事だと思いました。
いかがでしたでしょうか?oviceを利用した大型イベントの場合、準備もオフラインの時と同様かなり大がかりになります。イベントをご検討いただく際には、まず小規模なものを一度試していただくのがお勧めです。
イベントの運用方法に関してご質問があれば、oviceで行っている、事前申し込み不要の説明会にぜひご参加ください。
説明会の日程はoVice公式Peatixページでご確認をお願いします。