#横浜STARTUP
2021年5月に発足した横浜市政発展のための政策提言を行う政治団体。8月の横浜市長選挙において出馬を表明した福田峰之氏の政治活動の支援を行っている。
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oviceはバーチャルオフィス以外にも、展示会や公開保育など様々な使われ方がされています。今回ご紹介するのは「バーチャル選挙事務所」。
2021年8月に行われる横浜市長選に出馬されている福田峰之氏の支援団体、#横浜STARTUPにお話を伺いました。バーチャル空間でどのように事務所運営や選挙活動をされてきたのか、「デジタル×政治」の可能性など、幅広い内容を話していただきました!
主に2つあって、一つはやはり新型コロナウイルス拡大の影響です。正直ここまで感染拡大が長引くとは思っていなかったのですが、やはり従来の形で実際に事務所を構えるとなるとリスクが多いと判断しました。
選挙事務所に訪れるのは高齢の方が多く、対面でコミュニケーションをとるとなるとやはり感染リスクが上がってしまいます。事務所にお招きして、近い距離感で政治家と有権者がお話するというのは大事なことなのですが、時勢柄難しいと判断し、オンライン化に踏み切りました。
2つ目は、選挙活動に若い人にもっと注目してほしいという考えからです。今回の選挙戦に限らず、日本の政治の課題の1つに若者の関心の低さというものがあります。団体として、選挙活動のプロセス自体を変えるために「選挙DX(デジタルトランスフォーメーション)」を掲げているので、自分たちの選挙活動もデジタル中心で行っていこうという方針になっていて、チーム内ではビデオ会議ツールやチャットサービスをフル活用しています。
デジタルな選挙戦略となると、若者にとって馴染みの深いものですし、取り組み自体に興味を持ってもらいやすい。若者により政治を身近に感じてもらいたい、という狙いを持っていましたね。
おっしゃる通り、他サービスもいろいろ検討させていただいたのですが、やはり外部の人が訪れやすいオープンな空間づくりというのはoviceで一番実現できると思いました。
レイアウトを自由に組めるというのも非常に魅力的でしたね。弊団体には専任のデザイナーがいるのですが、その人に空間設計を担当してもらい、団体カラーである緑をベースにレイアウトを組みました。
実際の事務所機能の再現を常に意識していました。例えば福田のSNS情報や政策についての有識者との対談YouTubeのリンクを載せたり、クリックしたらチラシや選挙ポスターのデータが表示されるようにしたり、訪れたら福田本人や公約について詳しく知ることができるという、事務所本来の機能をバーチャル上で作り上げました。
今回、最初からがっつり政策について知りたいという方に加え、「オンラインの選挙事務所って面白そう」と興味本位で気軽に訪れている方も多くいました。そのような方にいきなり濃い会話を仕掛けても引かれてしまうので、もちろんお声かけはするのですが、挨拶程度にしています。
向こうからもっと詳しい話を聞きたいと言われたら、もちろんスタッフで話せる分にはお答えするのですが、福田本人と話したいということでしたら、夜行われているビデオ会議ツールを使った個人演説会のご案内をしています。その場では直接福田に質問できるんです。
もちろん、既存のオフラインでの選挙活動も並行して行っています。チラシを配らせていただいたり、街頭演説などで直接政策についてお話をしたりなどですね。オンライン一本となると、高齢者の方々を置き去りにしてしまうので、今回の選挙ではリアルとオンラインのハイブリッドでアプローチを進めました。
当初の期待通り、20代や30代の若者層に多く来ていただきました。従来の選挙事務所には絶対来ていないような若者層が、今回のオンライン事務所だとやはり来やすいんでしょうね。
もちろん関心だけの問題ではなく、平日日中だと仕事で来られないという問題もあったと思います。仕事終わりも家事や子育てなどやることがあり、直接足を運ぶのが難しい。
でもオンライン事務所となると、PC一台でアクセスできるので、来やすいんだと思います。事務所でスタッフと話した後、実際に先ほどお話した個人演説会に参加された方も多くいましたよ。今ではむしろオフライン時よりも、政治と有権者の距離が近づいたのではないかと思っています。
ことoviceについてお話すると、「個人情報の入力なしで行けるのは手軽で嬉しい」という声があったのが印象的でしたね。ゲストだと名前だけで空間に入れるので、より訪れるハードルが低くなったのはありがたかったです。
また、2Dというのはoviceの特徴の1つだと思うのですが、アバターが動かしやすく、訪れた方が迷うことなく事務所内を移動できたのも良かったです。
弊団体の話にはなるのですが、私たちは政党下でやっているわけではないので、全員ボランティアなのです。政策や取り組みに共感した人たちが有志で選挙活動の支援をしているのですが、メンバーには海外在住の方もいて。これって従来の選挙活動じゃありえないことで、大きなメリットだなと思います。場所や地縁に関わらず、共感ベースで人が集まって、チームになる。メンバーの中にはIT企業で働かれている方やフリーランスの方が多くいて、こういう方々もデジタルな選挙活動じゃないと集まらなかったと思います。
また、これは福田をはじめとする上の世代の方々が、比較的ITに明るく新しいもの好きという特性が大きいですね。スタッフの提案にも耳を傾けてくれますし、私たちが「こういうことしたらいいじゃないか」と言っても乗ってくれることが多いです。
福田が当選したら、oviceを使ってバーチャル市長室を運営したいですね。バーチャルは政治の関心層を広げ、よりオープンなものにしてくれるということを今回の選挙戦で学びました。今まで巻き込むことが難しかった若者層にもっと関心を持ってもらって、多様な視点で政策についてディスカッションしていきたいですね。
また、政府が今国民にテレワークを呼びかけていると思うのですが、政治サイドが先陣を切ってデジタルな働き方を実践しないといけないと思っています。「デジタル×政治」の取り組みをもっと広げていきたいです。