心身医学の発展を目的にした日本心身医学会の近畿地方会「シン・心身医学」。
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オンラインでの学会開催が増えてきました。今回お話を伺ったのは、心身医学の普及と発展を目的に活動されてきた日本心身医学会近畿地方会 大会長の大武先生。「内科医たけお」のお名前でSNSでの情報発信などにも取り組まれています。
先にもオンライン開催の実績があるなかで、今回はoviceを利用していただきました。なぜoviceを選ばれたのか、どのような工夫をされたのかをご紹介いただきました。
コロナ以前は対面で開催されていて、一昨年(2020年)は中止、昨年(2021年)はビデオ会議ツールを使ってオンラインで開催していました。
昨年(2021年)のオンライン開催では、「参加者が、登壇者の発表をビデオ会議ツールで視聴する」という形式をとりました。
この形式について、別の学会のケースですが、「話を一方的に聞くことはできるけど、交流できない」「誰がどこにいるかわからないから、話したい人と話せない」といった参加者の声があると聞いていました。
今年(2022年)も当学会ではオンライン開催が決まっていたので、何か使えるツールはないかと考えていた時、ちょうどプライベートで参加したイベントでoviceが使われていました。
oviceは声をベースにコミュニケーションができるようになっていること、アバターを使って空間を移動できることから、リアルでのイベントに限りなく近い体感を得られると思いました。それ以降にも、似たようなサービスを試してみたのですが、直感的な使いやすさが決め手で、最終的にoviceに決めました。
「会場を4つに分けて、その間に懇親会のスペース」という、リアル開催と同じような配置で運営しました。レイアウトをわかりやすくすることで、参加者も移動しやすくなるはずと考えまして。
当日は100人を越える参加者が学会を楽しんでいて、大盛況でした。実は申し込み件数でいうとこの数倍にもなっていたんですよ。オンライン開催とあって海外からの参加も見られましたね。
まずは使い慣れたビデオ会議ツールに案内し、oviceの使い方を直接レクチャーしました。ovice上での話しかけ方や動き方など、実際に画面を見せながら丁寧に説明を行いました。
またPDFのマニュアルを作って配布すると同時に、開催の3日前から会場を開放していて「自由に使ってみてください」というアナウンスをしました。
印象的だったのは、開催前のスペース開放で、交流が起きていたこと。参加者が自由に移動しながら、交流が起きているというのは、本当に現実の空間のようだなと思いました。
おおむね好評でした。ただ、ビデオ会議ツールと比べて、慣れていないので少し難しかったという声も一部ありました。初めてのツールを使った挑戦だったので、こういった声があがるのは予想していたところではあるのですが…。
とはいっても、肯定的な意見もたくさんありました。
oviceを使ったことで、空間を自由に動けることそれ自体を楽しんでいる方がいたり、交流が促進されたりしたようです。「オンラインなのに、学会会場を歩き回っているようで楽しかった」「移動がとてもしやすく、参加者同士の交流ができてとてもよかった」「気軽に声をかけたり、発言ハードルが下がった分、本音で話せた」といった感想がありました。
oviceについての感想も複数ありました。「oviceのシステムが興味深く、おもしろい体験だった」「oviceを使った学会がもっと広がっていってほしい」「oviceに馴染みのない方は多かったが、とても有意義なチャレンジだった」というように、新しい学会の開催方法について前向きな可能性を感じてくれていたようです。
今回は地方大会での利用でしたが、もっと大きな規模で、そして全国規模の学会をメインにした利用に挑戦してみたいです。
コミュニケーションの自由度でいうとやっぱり対面開催が一番かもしれませんが、oviceを活用することで、物理的な会場に足を運べないような人も気軽に参加できます。これからも新しい学会の形を模索していきたいですね。