大阪DTPの勉強部屋
デザイナー、DTPオペレーターなどデジタルデータ作成に携わる人を対象に現場で役立つ知識と技術の習得・共有を目的として活動する団体。2009年3月に第1回勉強会が行われ、現在は隔週でoviceスペースを活用し、開催されている。
2009年に大阪で発足された「大阪DTPの勉強部屋」。これまで10年以上、定期的に勉強会を開催し、これまで数多くのデザイナーやDTPオペレーターが参加してきました。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、一度は休止したものの、2022年にoviceを使ってオンライン勉強会として再開しました。
今回は主催者の宮地さんに、運用方法やスペースの詳細と、ビデオ会議ツールやメタバースに感じることなどの感想をお聞きしました。
宮地:
2009年3月に私が50歳になったタイミングで始めた、勉強会をメインに活動する団体です。印刷業界のデザイナーやDTPオペレーターなどのデジタルデータ作成に携わる方々がメンバーで、現場で役立つ知識や技術を共有し合い、習得していくことを目的に活動しています。
今はoviceで隔週で会を開いています。土曜日のお昼から夕方までが活動時間で、多い時は100名ほど参加いただきます。
勉強会なのでもちろん勉強はしますが、運営としては「勉強になるかよりも、面白いかどうか」という考えを大事にしています。休日に多くの社会人がわざわざ集まってくれるので、楽しい空間にできるよう努めています。
島﨑:
この勉強会の部屋は、実際に勉強会を開催していた施設の様子をモデルにしています。画面共有で文字組みや操作などを解説することもあります。
島﨑:
勉強会終了後は懇親会が行われます。飲み物はビール、ワイン、芋焼酎が飲み放題、食べ物は生ハム、唐揚げ、551の豚まんなどが食べ放題となります。ほかのフロアにいるロボットたちも給仕に走り回っている…というコンセプトで背景をデザインしています。
宮地:
ビデオ会議ツールは仕事を行ううえでは便利だと思いますが、私たちが作りたい空間とはどうしても相性が合わないと思い、使っていません。
具体的にいうと、ビデオ会議ツールって常に「対全員」の発信なんです。心理的プレッシャーがかかるものですし、僕たちの勉強会は仕事というよりは交流の場。例えば「Aさんに話しかけたい」と思った時に話しかけられないビデオ会議ツールはそもそも向いていません。
話したい人と、話したい内容でコミュニケーションをとってほしい。参加者にはなるべくストレスがかからない形で会を楽しんでほしいので、導入しませんでした。
普通の話をするのにカメラオンにする意味は個人的にはあんまりないと思っていますよ。パフォーマンスのプロなわけではありませんし。
「カメラを映しておくのが礼儀」という考え方も正直共感できないです(笑)
宮地:
運営を一緒にしているメンバーが、一度oviceを使ったオンラインイベントに参加したことがあったんです。口頭で話を聞いて、まずはやってみたいと思い、何人かで宴会コースを試しました。
オンラインなのに「同じ場所で、同じものを食べている」という不思議な感覚を味わえました。リラックスをしたうえで、自由に会話できるので、「これは勉強会にも使える」と確信したんです。
2週間無料でトライアル利用できるという点は、非常に始めやすかったですね。実際にoviceを触ってみて、オンライン勉強会を運営できるイメージを持てたので、正式に導入することを決めました。
宮地:
勉強会の開催時以外でも、来てくださった方が楽しみながら過ごせる場所を目指しています。
島﨑:
入口にいるロボットは、近づくと来訪された方に「中へお進みください」と促すアナウンスが再生されるようになっています。その背後にあるエスカレーターは、GIFで用意しているので実際の建物の設備のように動いています。実は、これが一番苦労したところです(笑)
右下の雑談スペースには、季節のお菓子やお茶を用意しています。いまは和菓子の「水無月」ですが夏には西瓜を置く予定です。
島﨑:
基本的に普段は各自テーブルでMacBookを開いて作業をしていますが、離席する際には閉じます。ノートパソコンは閉じた状態の背景画像の上に開いた状態の固定オブジェクトを配置して、表示/非表示を切り替えることで開いたり閉じたり…という仕掛けです。
島﨑:
クリックすると、以前開催した展示会の写真が見られるウェブサイトが見られます。
宮地:
同じような活動を先にされていた名古屋DTPの勉強会の開催日をお知らせしています。あとは和菓子屋さんの情報です。クリックするとどちらもウェブサイトに行けますよ。
上部に掲載しているのは、Amazonと図書カードのオンラインギフトです。勉強会の参加費を頂戴しない代わりに、任意でご送付いただけるように…という考えですね。
島﨑:
左壁面にあるエレベーターの上ボタンを押すと2階の事務所へ行けるようにしています。ここでは、ロボットが事務所の棚整理などをしている…という設定です。
島﨑:
“どこかにある別館”です。先ほどの事務所に入りきらなかった本と、奥にバーカウンターがある空間をデザインしました。おなじみのロボットがバーテンをしています。
ーとても個性的な空間で素敵ですね…! オンラインバー、とても行きたいです。
島﨑:
声の届く範囲が決まっているoviceだからこそ、隣の人の声だけ聞こえるような、バーの雰囲気を味わえると思っています。
ーoviceを導入してよかったと思う点を教えてください。
宮地:
「その場にみんながいる」という感覚を持てることです。アバターがあって、みんなが集まっている。それを俯瞰で見れる点を気に入っています。
メタバース関連の他ツールでは、アイコンではなく身体までついてるものもありますよね。そのようなものは「少しリッチすぎる」と個人的に思っていて、今のoViceのアイコンと2次元の仕様が好みです。もちろん、oviceはこれからどんどんアップデートはされていくとは思いますが、リアルに寄せすぎない今のシステムのままであってほしいと個人的には思っています。
ー今後oviceを使ってやってみたいことは何ですか。
宮地:
これからコロナが落ち着いたら、少しずつ勉強会のリアル開催も再開させていきたいと思っています。
とはいえ、今のオンラインの勉強会では北海道から九州まで、日本中から参加者が集まっています。リアルのみの開催だと、こうした方は参加できなくなってしまいます。せっかく縁ができたのに、コロナが終わるとお別れというのは個人的にとても寂しいので、リアルとオンラインのハイブリッドな勉強会にチャレンジしていきたいです。
また、今まで印刷業界の歴史や技術に関する展示会を7回開いて来たのですが、oviceを使ったオンライン展示会にもチャレンジしていきたいです。