オープンイノベーションのプロフェッショナル集団として、日本最大級のオープンイノベーションプラットフォームを活用し、アクセラレータープログラムやビジネスビルド、また専任コンサルタントによる伴走支援などを実施。
コロナ禍も約2年が経ち、オンラインイベントのノウハウが溜まってきた企業も少なくないでしょう。以前もoviceの活用事例として紹介した大規模イベント「JAPAN OPEN INNOVATION FES」(JOIF)を開催するeiicon companyもその一つ。
2022年3月には、4度目のオンライン開催となる「Japan Open Innovation Fes FY2021→ DEMODAY」を開催し、大成功で終わりました。
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「回を重ねるごとに、より満足度を高めるための工夫を重ねてきました」
そう語るのはイベント運営を統括する栗山 彩香氏。今回はJOIFに込められた想いと、オンラインイベントのノウハウをCOOの富田直氏と栗山氏のお二人に聞きました。
富田:
JOIFは2017年から続くオープンイノベーションの祭典で、企業に出会いの場を提供するためのイベントです。コロナ前はリアルの会場で開催していたのですが、コロナ禍でリアルの開催が難しくなり、オンラインでの開催が余儀なくされました。
初めてオンライン開催したのは2020年のこと。私たちも「本当にオンラインで出会いを生み出せるのか」確証はなかったので、ある意味実験的に開催しました。その結果、オンラインならではの価値が大きいことに気づき、継続してオンラインで開催しています。
富田:
以前は年に一度の開催だったのですが、よりコミュニティのつながりを強めるために、年度末にも開催しようと思ったのが本イベントです。例年通り7月の開催も予定しており、3月に開催した本イベントは、本番前にオンラインでの出会いを最大化するために実験的に開催しました。
結果は大成功で、多くの企業がマッチングに成功しています。イベントの最中に大企業のプログラムに応募するケースも見られた他、既に共創に向けて動き始めたという声も届いています。私たちがイベントを改善してきたこともあると思いますが、何より参加者の方のリテラシーが高まったことで、より多くの出会いが生まれているように感じますね。
栗山:
今回が4回目のオンライン開催になりますが、最も大きな改善は「マッチング人員の増加」です。リアルのイベントでも同じですが、自分から積極的に話しかけられる参加者は限られています。
自分から話しかけられる人は満足度も高い一方で、話しかけられない人は企業との出会いも少なく満足度も低い。これまでのデータでそのような傾向があることがわかったので、私たちもいかに企業同士を繋げられるか試行錯誤をしてきました。
その一つの解が、担当者がマッチングを誘導すること。マッチング担当者が参加企業の一覧を見せて「会いたい企業はありませんか」と聞き、呼んでくる。そうすることで、自分から話しかけられない企業も多くの企業との出会いを楽しめるようになりました。
栗山:
マッチング担当者に声をかけるのもハードルを感じる方もいたので、そんな方のために会いたい企業を入力できるフォームを用意しました。ovice内に「会いたい企業がいたら投稿しましょう」と看板を出して、クリックするとGoogleフォームが開くようにしたんです。
それによって出会いたい企業と出会えないケースは激減しました。積極的に話せないのも最初だけで、一度マッチングすると多くの方が2回目から自分から話しかけられるようになるんです。最初のマッチングをいかに作り出すか、そこを徹底してサポートする仕組みを作りました。
栗山:
イベント本番前日の20時から、プレオープンとして開場していました。Notionで作成したマニュアルを配布した上で「ちゃんと準備しないと、当日企業と出会えませんよ」と念を押したのも重要です。
プレオープンも自由に話せるようにしていたので、操作に慣れてる方は自分たちで勝手にマッチングしているケースも見られました。操作に慣れるためのプレオープンでしたが、操作に慣れている方も自由に楽しんでいましたね。
栗山:
動線設定にはこだわりました。リアルイベントと一緒で、とにかく参加者の方に会場を一周して欲しいので、キラーコンテンツを会場の一番奥に設置したんです。今回だと「会場にいる人のリスト」がキラーコンテンツです。
oviceの機能でも会場にいる人を確認できますが、操作に慣れていない人にとっては自分で確認するのはハードルが高いですよね。リストを確認してもらうために、床に矢印も貼って入場した人たちが入口にたまらないようにしました。
栗山:
最近はユーザーもオンライン会場に慣れてきましたが、以前だとアイコンを動かしていただくのも苦労しました。特に、縦スクロールにはみなさん慣れているのですが、横スクロールに慣れていないので、横にも会場が広がっていることに気づかない方も多くて。床に矢印を貼ることで、横にも会場があることを分かりやすくしました。
商談をしても、会議室から出られなくて困っている方もいたので、会議室の近くには退室の方法を書いたマニュアルも貼りましたね。会議室に限らず、oviceのマニュアルを至るところに貼って、オンラインイベントに慣れていない方も安心して楽しめる工夫をしています。
ただし、最近はユーザーの方もオンラインイベントに慣れてきたので、操作で困っている方は以前に比べて減りましたね。
栗山:
オンライン開催を始めた時に比べて、電話での問い合わせが激減しました。メールでも問い合わせができるのですが、オンライン開催を始めたばかりの頃は、とにかく電話が鳴り止まなくて。できるだけメールで問い合わせてもらえるよう、電話番号はマニュアルの最下部に載せていたのですが、それでも午前中は電話対応に追われてましたね。
それが最近では電話がくることはほとんどありません。マニュアルの内容はほとんど変わっていないので、私たちの努力ではなく参加者のみなさんがオンラインイベントに慣れたからだと思います。
栗山:
JOIFはマッチングだけでなく、有識者たちのセッションやピッチなどのコンテンツもあるので、それらをうまく活用しています。これまでの経験から、コンテンツの合間に離脱する参加者が多いことがわかっていたので、できるだけコンテンツの隙間をなくすようにしたんです。
メインのコンテンツの合間にミニコンテンツを設けるなどして、とにかく会場に残ってもらう方法を考えました。会場にさえいれば、声をかけてもらえたり「あなたに会いたい企業がいます」などマッチングにも繋がりますが、退出されるとどうしようもありません。
富田:
コロナ禍に対応する形でオンラインでのイベント開催になりましたが、今ではリアルよりも大きなメリットがあると感じています。それは物理的な制約なく企業が出会えること。私たちのサービスのコンセプトにもマッチするので、今後もオンライン開催が軸になると思います。
一方で、リアルで集まるメリットもあると思うので、例えばイベントはオンラインで開催しながらも二次会やサブイベントをリアルで集まることも検討しています。リアルとオンラインをうまく組み合わせながら、どちらのメリットも享受できる仕組みにしたいですね。
また、オンラインの会場はさらに広げていくのも今後の構想です。現在は1フロアで事足りていますが、徐々に参加者も増えているので2フロア3フロアに増やしていきたいと思います。その分参加者の管理も難しくなりますが、フロアを増やすことでできることもあるので、様々なことに挑戦してみたいです。
最後に、次回のJOIFを2022年7月8日に引き続きoviceで開催する予定なので、企業との出会いに興味のある方はぜひ参加いただきたいです。